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Channel: アドリア海のフラノ -SINCE 2006-
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bimota YB7への道 その2

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YB7(1988/89:321台)登場!
日本向けに企画されたヤマハ製400cc4気筒エンジンを
搭載したbimotaモデルだった。
その前にDucati 400F3のエンジンを搭載
したDB1Jが少量生産されたので、2代目の400ccエンジン
モデルとなる。
しかし、YB7の後に再び4気筒400ccモデルが作られる
ことはなかった。
その後、DB2J、Tesi1DJなどのドゥカティ
空冷Lツイン400ccモデルが作られた。

YB7の価格は当時の400ccレーサーレプリアバイクの
およそ3倍の212万円のプライスだった。
私はその価値があると思い1代目のYB7を購入した。
いまは2代目のYB7を走らせている。

そのYB7のクオリティは兄弟車のYB6とYB8に準じるが、
YB7にはリザーバータンク付きフルアジャスタブル・オーリンズ
モノショックがが標準装備されていた。
また、特質すべきことに7には、YB6とYB8とは異なる
専用のフレームが用意されたことだろう。

エンジンサイズが違うのでYB6と8YB8用フレームは
使えなかった。
しかし、専用フレームを用意してまでYB7を出す市場が
日本には存在するとの判断だったのだろう。

また、このフレームは、ヤマハ600cc4気筒エンジン
を搭載したYB9シリーズに活用されることになる。



イタリア国内よヨーロッパで開催のスーパースポーツレースでも
速かった。
特にインジェクションを搭載したYB9SRIは、
1996年度のヨーロッパスーパースポーツ選手権のチャンピオン
を獲得した。
宿敵はドゥカティ748SPだった。

YB7用に開発されたフレームは、
YB9SRを生みだす母体となったのだった。
いや、もともとYB7はサラブレットだったんだと思う。
 
残念ながらYB9SRは、
各部の作りをグレードダウンしてしまった。
もはやFRPではなくプラスチックカウリング
となってしまった。
しかし、ハンドリング、走りは最高だと思う。
 

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車体関係のパーツには、
まず、アルミツインスパーフレーム(メインチューブ)は、
防錆、腐食に強い航空機用材料である、
「アンティ・コロダル100」という
アルミニューム合金でハンドメード製造されている。
 
また、スイングアーム・ピポットプレート部は、
bimotaファクトリー内のマシンで
アルミのビレット材から削りだされたものだ。
それとメインチューブと溶接される。
その溶接は均一で美しい。
その精度はMotoGPマシン用フレームに劣らない
ものと思う。
 
また、その他の金属パーツも
すべてアルミ削り出し、ジュラルミンパーツがふんだんに
使用している。
その仕事は丁寧で美しい。
カウリンング類はFRP製だった。

YB7は一個の芸術作品と呼ぶに相応しい出来栄えだ。
このクオリティは、量産されたモーターサイクルでは
到底不可能だ。

少量生産のbimotaだから可能なことだと思う。
それはいまも変わらない。

それに加えて当時最高峰のラジアルタイヤととして
最高のパフォーマンスを発揮する
ミシュラン・ハイスポートラジアルが前後に装着されていた。
これらのハイパフォーマンスパーツを装着することで、
その走りは極めてレベルの高いものだった。

私は1980年代の日本製2サイクル、
4サイクルレーサーレプリカバイクを数台経験していた。
たしかにエンジンパワーはクラストップだったが、
ありきたりの量産パーツを結合しただけでは、
ハーモニーは聞こえてこない。

どのバイクを走らせても満足を得られなかった。
もう一歩改良を加えてくれていたら、
その想いが強かった。
 



とくにRGガンマ400.
グランプリレーサーRGガンマのフィロソフィーを
受け継いだレプリカバイクだった。
その強烈なパワーとバンランスの取れたハンドリングには
好感がもてた。
低速では思うがままにバイクを曲がらせることができ、
ガンマでリアステアライディングを体得した。

そのため1985年から1995年までの
約10年間に4台ものガンマを所有していた。
いまも秘密の地下格納庫にガンマを置いている。

しかし、ガンマを速く走らせようとすると、
その途端に手に汗握ることになる。
コントロールが難しくなる。、
細いバイアスタイヤ、頼りない前後サスペンション、
効かないフロント4ポットキャリパーなど、
不満な点は数限りない。

そこでブレーキパッドを強力な制動力を発揮するSBSと交換
することで向上させて、
リムサイズぎりぎりいっぱいのワイドサイズタイヤを履かせた。
太くなったタイヤを見て、
いかにもグリップするような気分になっていた。
F:120/80ー16、R:140/70-17
だったかな?

しかし、どうも「ぴりっ」としない。
前後サスとマッチングしていない。
リアが下がったような印象があった。
バランスも悪くなったしまった。

細いバイアスタイヤの車体に
無理やりワイド・ラジアルタイヤを履かせて良い結果は
得られない。
そう思ったものだ。
いまでもノーマルサイズのタイヤ(BS BT45V)があるのだから、
それで前後サスのセッティング、車高調整、ブレーキ強化、
前後タイヤ圧の適正化など、
ハイスピードでのバランス向上を目指すべきかもしれない。

ガンマ400は1985年と86年の2年間だけ製造されて、
その後、後継車両も出なかった。
1989年にアルミスインスパーフレームの
Vガンマ500が出るのではないか?
そういう噂が出た。
そのときは、なにがなんでも買うと
心に決めていたのだが、
ついに実現されなかった。

そういう不満が、
ハンドメードアルミフレームに
ブレンボ、マルゾッキ、オーリンズなどの
グランプリレースで活躍するレーシングパーツ、
ミシュラン・ハイグリップタイヤを装着していた、
bimota YB7に向かわせるきっかけと
なったことは間違いない。



しかし、TZR250(1KT)とNSR250(88)
が登場するにいたり、
やっと、良いスポーツバイクが出てきたと感じたものだ。
 
YB7を奥多摩のワインディングロードで走らせたとき驚嘆した。
ここまでコーナリング性能が高い。
いや感動的なモーターサイクルははじめてだった。
探し求めていたもの、
ほんものとの遭遇だった。
 
また、私がYB7が好きな理由の1つに
エンジンがハイパフォーマンスだということ。
14000rpmまで回すことができ、
6速ミッyションを搭載している。
シャープに吹け上がりレスポンスが良い。
バイクが軽量でエンジンそのものが小さいのでコーナリング
パフォーマンスが優れている。
YB7搭載のヤマハ4気筒エンジンだが、
日本の鈴鹿4時間耐久やSPレース出場を想定したものだった。
耐久性とレースパフォーマンスの両方に優れていた。

エンジン、シャーシ、前後サスペンション、
ミシュランラジアルタイヤが、
すべて有機的に結合して
絶妙のハーモニーを奏でてくれる。
その走りを支えている。

私はYB7の各部からのハーモニーを感じて
コントロールするコンダクター(指揮者)なのだ!

市街地走行は得意ではない。
市街地のストップ&ゴーを繰り返すと
エンジン(キャブ)周りがヒートしてくるので、
だんだんとスロットルレスポンスが悪くなる
とくに30度を超えるとような真夏は、
ガソリンがパーコレーションを起こしてしまう。

キャブがガソリンを噴霧化できなくなる。
そのときは無理に走ろうとせずにしばらく休眠させる
べきだろう。

夏が過ぎ去って秋から走らせれば良い。
しかし、それに目をつぶれば最高の相棒となるだろう。
まっ、いくつか対策を考えてはいるが、
それはこれからになる。

ここまでYB7のことを嘆賛してきたが、
いまの若者があえてYB7を購入する必要はないと思う。
いまならMV Agusta F3-800を新車で
手に入れることを勧めたい。

MV Agusta伝統のパイプトレリスフレーム。
官能的なエキゾーストを奏でる3気筒エンジン。
このバイクで想い出を作ってほしいものだ。

終わり


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