WSBKは年間13ラウンド(26レース)が開催されるが、
使用できるエンジンはわずか7機に限定されている。
エンジン改造はカム交換とポート加工くらいしか認められていない。
そのため最高速度はかなり抑えられた。
先日のセパンラウンドでは、
アプリリアが305k前後、
カワサキとドゥカティが300k前後の最高速が限界だった。
ちなみにMotoGPヤマハ、ホンダファクトリーバイクは、
330kまで最高速は伸びる。
一瞬で抜かれるほどパフォーマンスの差は大きい。
また、EUC本体(汎用品)は8000ユーロ以内で購入できるものに
限定されている。
そのためクレセントスズキはヨシムラが使用している
モーテックからマレリに交換してパフォーマンスを落として
しまった。
しかし、セパンでかなり改善されたように思う。
ドゥカティはマレリに交換したことで、MotoGPの技術を投入した
ソフトウエアを使用できるようだ。
ソフトウエアについてはなんら規制されていない。
開発は自由となっている。
ちなみにMotoGPはソフトウエアの開発は6月末で禁止された。
来年は全車共通のチャンピオンシップ・ソフトウエアを使用する。
現在、ホンダ、ヤマハ、ドゥカティがコラボしてソフトウエア開発
を行っている。
そういうこともあり、
来シーズン以降WSBKは、
MotoGPで禁止されたSW開発が激化すると思われる。
すでにホンダCBR1000RRは、
セパンでバイクの改良を行ったと噂されている。
その証拠にバイクが急に速くなった。
SP3位、レース1と2で連続4位。
おそらくMotoGP用エンジンコントロール技術が
CBRに投入されものと思われる。
まず、コスワースECUからMotoGPと同じマレリECUにチェンジ
してHRCのソフトウエア技術が投入された?
あくまでも推測だけどね。
さて、来シーズンはもっとパワーがあるエンジンを投入
できるメーカーが抜け出るような気がする。
それでもエンジンが壊れない。
カワサキとドゥカティが引き続き有利なような気がする。
カワサキは新型ZX10Rの登場が予告されている。
そこにヤマハR1がどこまで食い下がれるかが
ポイントだろう。
8耐で勝利したR1はスーパーポールセッションで
かなり速かった。
断トツのPP獲得。
しかし、レースでは燃費を良くするため巧みなレース戦略
を実行していた。
CBRは現行のバイクを改良するのか、
それとも新型を投入するのか?
いまの段階では予測不可能だ。
MV Agustaは、新型4気筒エンジンを搭載した
新型F4の登場が予告されている。
おそらくF3の3気筒+1気筒の逆回転クランクシャフト
を持ったエンジンでは?
今シーズンのF4はWSBKでトップ目指して戦うための
予行演習だった。
トップを狙えるチーム体制構築、
エンジン本体のパフォーマンスアップ、シャーシ開発、ECU制御、
そべてに渡って改良に取り組んできた。
それでもトップを走るバイクと最高速で10kほど差がある。
エンジン本体はストックで210ps以上のパワーを絞り出す
と思われるが、
それが加速や最高速度に繋がらない。
そこをどうするかが課題だと思う。
いまはスーパーストック1000+αのパフォーマンスで
しかない。
しかし、この経験がそのまま新F4に生きてくるはずだ。
すでにスーパースポーツ600では、
勝利を狙えるバイクを出走させている。
それはF3ー675。
エンジンの使用状況は下記の通りだが、
まだ、余力を残しているチームあり、
7機目を投入しているチームもある。
エンジンローテーションもレース戦略の一環となっている。
アプリリアは6機目まで投入しているが、
故障したのは1機のみ。
バドビニ/BMWは4機投入したが故障なし。
デイビス/ドゥカティは6機投入して1機故障
レア/カワサキは5機投入して故障なし。
ポイントリーダーを独走していながら、
エンジンのマイレージにも余裕を見せている。
ギュントーリ/ホンダは5機投入して故障なし。
マイケルファンデルマーク/ホンダは6機投入して4機故障
*転倒したりエンジンを酷使したため?
ドプニエ/スズキは5機投入して3機故障
モーテックからマレリECUへの交換のゴタゴタげ原因か?
レオンキャミアー/MV Agustaは7機リミットまで投入して3機故障
すでに新品エンジンは残されていない。
4機の中古エンジンで残り6レースを戦う必要がある。
問題なのは最終戦ロザイル。
最高速が高く、エンジンをもっとも酷使するサーキットだからだ。
かなり厳しい状況だ。
最悪、ペナルティを受けて1機新しいエンジンを投入
するしかないか?
今シーズンに関してはWSBK主催者の思惑が成功
したようだ。
パワーの抑制には成功した。
しかし、シャーシ、ECUコントロール、吸排気
などのエンジン以外の改良/熟成でパフォーマンス
の落ち込みをカバーした。
その結果、マシンを充分に開発できるファクトリーチームが
あいかわらず有利だった。
サテライトチーム/バイクは表彰台にすら上がれない。
シーズン前まではカワサキがここまで独走するは
思いも寄らなかった。
そういうことあり、
さらに規制が強化されるかもしれない。
このままではエントリー台数は伸びない。
表彰台の可能性があると信じていたプライベートチームは
撤退するかも?
各国のローカルチームはワイルドカードで
スポット参戦しても旨みがない。
当初はBSBの盛況を模範にしたいと思っていた。
しかし、そこにはファクトリーバイクはいないので、
チームとライダーの力量で勝敗がきまる。
このままではファクトリーチームとサテライトチームだけで
戦うことになるのか?
しかし、それでは20台前後しか出走しなくなる。
やはり戦闘力の高い市販レーサーを販売するしかないと思う。
ホンダRC213V-Sの量産車ヴァージョンがほしい。
こういうバイクが販売されれば、
WSBKは盛り上がると思う。
1990年代はドゥカティが戦闘力のある市販レーサー
を安価に販売してシリーズを盛り上げていた。
また、そのロードバイクモデルが脚光を浴びた。
オートバイ | ドライバ | 使用中 | 故障 |
アプリリア | ジョルディ ·トーレス | 6 | 1 |
アプリリア | レオン ·ハスラム | 6 | 1 |
BMW | イムレ ·トス | 2 | 1 |
BMW | ガボール Rizmayer | 2 | 1 |
BMW | アイルトンバドビニi | 4 | |
ドゥカティ | チャズ ·デイビス | 6 | 1 |
ドゥカティ | ダヴィデ Giugliano | 5 | 1 |
ドゥカティ | マテオ Baiocco | 5 | |
ドゥカティ | レアンドロ メルカド | 5 | |
EBR、川崎、 ドゥカティ | ニッコロ カネッパ | 7 | 5 |
ホンダ | シルバン· ギュントーリ | 5 | 1 |
ホンダ | マイケルVDマーク | 6 | 4 |
カワサキ | ジョナサン· レア | 5 | |
カワサキ | トム· サイクス | 5 | 1 |
カワサキ | クリス Ponsson | 4 | 3 |
カワサキ | デイヴィッドSalom | 5 | 2 |
カワサキ | Gianlucaさん Vizziello | 7 | 5 |
カワサキ | アレックス· フィリス | 5 | 3 |
カワサキ | ローマラモス | 4 | 2 |
MV アグスタ | レオン Camier | 7 | 3 |
スズキ | ランディ ·ド· ピュニエ | 5 | 3 |
スズキ | アレックス· ローズ | 5 | 2 |