Quantcast
Channel: アドリア海のフラノ -SINCE 2006-
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5079

鉄馬人(アイアンホースマン)とは?

$
0
0
 
 
仕事をしたあとにバイクを走らせると心が休まり、
気分爽快になる。
悲しいことも忘れ、イライラも治まり、高ぶった感情も鎮まり、
満ち足りた気分になる。

バイクを走らせることで、穏やかで寛容な心を手に入れること
ができるようになる」
さまざまな徳性を磨くことができる。
 
騒然とした世情、不幸な家庭生活……
心の平静さを保つため、バイクを走らせる必要があったの
かもしれない。

「バイク乗りは心に傷があるからバイクを走らせる。
しかし彼は、その傷が何であるかわからない。
 
イギリス人作家、アイザック・ウォルトンの随筆
『釣魚大全』の一節をバイク乗りに置き換えてみた。

 
 
 

 
 


アラビアのロレンスことトーマス・エドワード・ロレンスが
ブラフシューペリアを走らせたのは、そういうことだったの
かもしれない。
 
 

いま、私はホンダCBR250RRとNSR250R(88)
2台を走らせているが、
まさに「釣り人=バイク乗り」の気分だ。
 
 
 

いつもの名栗湖有間ダムを往復して、
バイクのハンドリング、エンジンフィーリング、
そしてブレーキングの三位一体(三つのものが一つになること。また、三者が心を合わせること)
を楽しむだけだ。
 

ところで、
最近、会社の先輩が亡くなった。
65歳だった。
昨年まで定年延長で在職されていた。

それは特別な技能の持ち主だったからだ。
請われて会社に残った人だった。
しかし、団塊の世代の人だったので
後輩には厳しい人だった。
 
やさしさだけでは人は育たない。
情け容赦のない言葉を投げつけられたこともある。
たまには「いじめ?」ともとれる皮肉を言う人だった。
しかし、温情家でもあった。
その人生哲学は「恩威ならび行う」
とでもいうのだろうか?
 
 

そういえばこの先輩も昔はバイク乗りだった。
米軍横田基地横のバイク屋で偶然会ったときは、
ヤマハXZ400を走らせていた。
 

会社を去って一年。
昔のしがらみもなくなり、
どこで知り合ったのか?
歳の離れた奥さんと、
これからを楽しむはずだった。

しかし、すでに病が身体を蝕んでいた。
在職中昼休みは散歩して、
健康には気を使っている人だった。
 
いや、健康が気がかりだったのに毎日歩いてい
たのか?
 
その散歩の途中呼び止められたことがある。
 
このポーチの46番は何?
 
ナン:
これはMotoGP世界チャンピオン、ロッシのゼッケンです。
ご存じありませんか?
 
いや、知らないな、....
 
そういう会話を想い出す。
 
それは2010年頃のことなので、
いまから約5年前のことだ。
 
その46番のステッカーは次のビデオの後に
スタッフの人からもらったものだ。
 
 
 
 

 
人生とはわからないものだ。
最後は奥さんに看取られて旅立たれた。

先輩らしい一生だったと思う。
 
この場で、
謹んでご冥福をお祈りいたします。
 
 
 

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5079

Trending Articles